【コラム】飲酒運転は絶対にやめましょう(第2回)

2015-07-29

1 前回までの話

前回は,飲酒運転をした場合に,運転をした本人やそれに関与した人がどのような処罰を受けるのかについてお話しました。
今回は,飲酒運転をした人が交通事故を起こしてしまった場合に,どのような処罰を受けるのかについて解説します。

2 飲酒運転をして交通事故を起こしてしまった場合の処罰

従来,飲酒運転による交通事故については刑法の規定により処罰されていました。しかし,飲酒運転による悲惨な事故が絶えない現状に鑑みて厳罰化が強く求められた結果,刑法から独立した特別法を制定して,飲酒運転による交通事故に対し厳罰を処することになりました。正式名称は,『自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律』と言います。名称が長いので,ここでは「法」と省略します。

【法第2条】危険運転致死傷罪
<処罰の対象>
アルコール又は薬物の影響により,正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ,人を死傷させた場合
<罰則>
致死の場合 1年以上の有期懲役(最高20年)
致傷の場合 15年以下の懲役

【法第3条】危険運転致死傷罪
<処罰の対象>
アルコール又は薬物若しくは運転に支障を及ぼすおそれがある病気の影響により,正常な運転に支障が生じるおそれのある状態で自動車を運転し,よって正常な運転が困難な状態に陥り,人を死傷させた場合
<罰則>
致死の場合 15年以下の懲役
致傷の場合 12年以下の懲役

【法第4条】過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪
<処罰の対象>
アルコール又は薬物の影響により,正常な運転に支障が生じるおそれのある状態で自動車を運転した者が,運転上必要な注意を怠り,人を死傷させ,その時のアルコール又は薬物の影響の発覚を免れる行為をした場合
<罰則>
12年以下の懲役

【法第6条】無免許による刑の加重
<処罰の対象>
自動車の運転により,人を死傷させた者が無免許であった場合
<罰則>
15年以下の懲役→6月以上20年以下の懲役
12年以下の懲役→15年以下の懲役
7年以下の懲役等→10年以下の懲役

3 まとめ

ご覧の通りかなりの厳罰です。また,逃げ得ができないよう発覚面脱罪も新設されました。発覚免脱罪の法定刑が懲役12年だといわれると,ここに挙げられた刑のなかでは軽いじゃないかと思われる方もいるかもしれませんので念のために補足します。発覚面脱罪を犯す場面というのはほとんど救護義務違反(ひき逃げ)も犯しています。なので,両罪は併合罪となり,最高刑は懲役18年になります。飲酒運転をして交通事故を起こしてしまうと,人生が破滅します。一生をかけるリスクを犯してまで飲酒運転をしますか?
    
次回は,行政上の制裁について,検討します。

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