【コラム】裁判員制度は今後どうなる?
2015-07-07
平成27年7月7日,読売新聞電子版などによれば,裁判員裁判が4か月ぶりに再開されるも,新たな主張がなされたことにより審理が事実上やり直しとなり,3人の裁判員が予定が合わないとして辞任したという報道がありました。
裁判員裁判は,一般人である裁判員に,短い裁判でも数日間連続で裁判所に来ていただくという国民にとって負担の重い制度です。自分の身に置き換えて考えても,平日の昼間を数日間連続で空けるというのは難しいのではないでしょうか?
裁判員制度は,司法を国民にとって身近なものとして司法への理解を深めてもらうという役割をもって導入されました。このこと自体は意味があることなのだと思います。
しかし,司法への理解を深めてもらうには,容易に司法参加できる仕組みが不可欠です。裁判員に選ばれましたと言われて迷惑に思うような制度では,かえって国民から司法が遠ざかってしまいます。
今回の報道のように,せっかく司法参加してくれた裁判員が3人も辞退せざるを得なくなってしまったのは,裁判所にとっても無念だったと思います。
今回の件やこれまで行われた裁判員裁判の蓄積なども踏まえて,国全体の課題として国民が参加しやすい裁判制度を再構築すべきときなのかもしれません。
←「【お知らせ】国会議員および茨城県議会議員との意見交換会に出席しました。」前の記事へ 次の記事へ「【コラム】相続税削減の第一歩は遺言作成にあり?」→