【コラム】夫婦別姓・待婚期間について

2015-06-30

すでに報道などでご存じの方もおられるかもしれませんが,夫婦別姓と待婚期間について,最高裁判所が司法判断を行う可能性が高くなりました。どのような判断になるかは,もちろん分かりませんが,問題の所在だけ,簡単に触れたいと思います。

夫婦別姓に関する法律は民法750条です。条文をみると,「夫婦は,婚姻の際に定めるところに従い,夫又は妻の氏を称する。」とありますので,現行法上,夫婦別姓は認められておりません。この規定が,個人の自由を規定した憲法に照らして違憲ではないのかということが問題の所在です。

待婚期間に関する法律は民法733条です。条文をみると,733条1項には「女は,前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ,再婚をすることができない。」とあります。この規定については,そもそも女性だけに待婚期間を設けることは違憲ではないかという点や,仮に女性だけに待婚期間を設けることが違憲でないとしても,6箇月もの長い間再婚を禁ずるのは憲法違反なのではないかという問題があります。また,本条文は,父性推定の重複を避ける趣旨で設けられたものであるところ,医学の発達によって,もはや待婚期間を設けること自体に意味がないのではないかといった議論などもあります。

深く検討すると長くなるのでこのへんにしておきますが,最高裁判所が判断をすることにした背景には,現代におけるライフスタイルの変化や,結婚や夫婦のありかたといったものに対する価値観の変容などもあるのではないかと思います。

最高裁判所がどのような判断をするのかが注目されます。

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